2018年度

受領者からのメッセージ

2018年度受領者からのメッセージ

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2018年度研究助成金受領者(所属は交付時。敬称略・五十音順)
粟澤 元晴
国立国際医療研究センター研究所
研究テーマ:皮膚依存的な体温調節応答に基づく肥満メカニズム解明
 この度は2018年度研究助成対象に採用いただき心より御礼申し上げます。私は2018年4月に留学より帰国し、国立国際医療研究センター研究所に室長として赴任致しました。実務面では研究体制を軌道に乗せるべく尽力する一方、研究面では留学中の研究成果を基に挑戦的な提案をさせていただいております。その様な中、当研究助成を戴けましたことは大変ありがたく、励みにも感じております。得られる成果が今後の科学に貢献し、結果として社会への還元につながるものとなる様、一層努力して参りたいと存じます。
井上 毅
大阪大学 免疫学フロンティア研究センター
研究テーマ:記憶B細胞の分化メカニズムの解明
平成30年度研究助成金に採択いただき、誠にありがとうございます。我々は、獲得免疫の特徴的な現象の一つである免疫記憶に着目し、記憶B細胞の産生・分化機構の解明を目指して研究を進めております。稀少細胞集団である記憶B細胞の研究には、多種多様な遺伝子改変マウスの導入が必須であり、本助成金のサポートを有効に使わせていただきたいと思います。本研究を通じて、インフルエンザウイルスなどのウイルス感染を予防する新しいワクチン開発戦略に貢献していきたいと考えております。
岩崎 有作
京都府立大学 大学院生命環境科学研究科
研究テーマ:希少糖アルロースの摂食抑制作用を担う脳神経の同定
この度は平成30年度研究助成金に採択して頂き、誠にありがとうございます。平成30年4月より京都府立大学大学院生命環境科学研究動物機能学研究室の教授として研究室を立ち上げているところであり、この度のご支援は大きな助けとなり、そして今後の研究に向けての大変励みとなりました。
私はこれまで、求心性迷走神経からの脳入力による摂食・代謝調節と過食・肥満・糖尿病改善作用について研究を進めて参りました。そして、近年では、希少糖アルロースによる腸ホルモンGLP-1の分泌促進が、<求心性迷走神経→脳>軸を活性化して過食・肥満・糖尿病を改善する事を明らかとしました。摂食・代謝調節異常の治療における<求心性迷走神経→脳>軸活性化の有効性、及びその神経回路を明らかとし、医学・栄養学・農学の発展、及び医農連携による社会貢献を目指して、今後も研究活動に精進していきたいと思います。
生長 幸之助
東京大学 大学院薬学系研究科
研究テーマ:有機ラジカルを用いるタンパク側鎖構造多様化法
このたびはアステラス病態代謝研究会のご支援をいただくことになり、選定頂いた評価委員の方々、財団の関係者の方々に厚く御礼申し上げます。本研究テーマは一つ上手く行ったら別の問題が出てくるなどが繰り返され、なかなか今の今まで日の目を見ることがなかったテーマでしたが、今回ご評価頂くことができまして、研究進展・加速が期待できるものと信じております。まずは第一報の論文化に向けて、引き続き全力で取り組んでいく所存でございますので、今後ともご指導ご鞭撻のほど、どうぞよろしくお願い申し上げます。
沖田 恭治
国立精神・神経医療研究センター
研究テーマ:眼瞼運動計測によるドパミン受容体機能の測定法の開発
この度は平成30年度研究助成金にご採択いただき、深くお礼申し上げます。私は平成25年から29年まで海外で研究生活をおくり、一度精神科臨床に戻った後、平成30年1月より現在の職場で再び研究に従事する機会をいただきました。新しい環境で自身のアイディアによるいくつかの研究を立ち上げるべく努めているなか、貴財団から助成をいただけたことは大変励みになりました。国立精神・神経医療研究センターの医療機関と研究施設としての機能が一体であるという特色と、微力ながら自身のこれまでの経験や知識を活かし、未来の患者さんに対するより良い治療や診断に寄与できるよう、努力する所存です。
荻野 由紀子
九州大学 大学院農学研究院
研究テーマ:二次性徴発現を決定付けるクロマチン動態の解明
この度は、貴財団の平成30年度研究助成に採択いただき、心より御礼申し上げます。私は平成28年4月に現職に着任致しまして、本年はキャンパスの移転もあり、研究室のセットアップが必要なところでした。本研究助成の支援をいただいたことは大変ありがたく、今後の研究の大きな励みになるとともに、新たな実験系へ挑戦することが可能となりました。私は、生物多様性を導いた繁殖形質の進化機構とその分子基盤について、魚類モデルとして研究しています。研究の幅を拡げ、さらにオリジナルな研究が展開できるよう、研究に邁進していく所存です。今後ともご指導ご鞭撻のほど、どうぞ宜しくお願い申し上げます。
奥野 浩行
鹿児島大学 大学院医歯学総合研究科
研究テーマ:単一細胞解析による認知障害関連遺伝子の探索
 この度は貴財団の平成30年度研究助成にご採択いただき、誠にありがとうございます。私は同年4月に現所属に異動し、現在研究室を立ち上げている最中です。備品購入や整備費などで支出が膨らみ、予算のやりくりに奔走した一年でしたので、いただいた研究助成金を本当にありがたく使わせていただいています。
 私の研究の中心課題は“大脳高次機能の分子基盤を明らかにしたい”というものです。特に、経験や学習したことを生涯にわたり維持される長期記憶の分子・細胞機構を理解したいと思い、これまで研究を行ってきました。本研究では、認知障害を示すモデルマウスから単一細胞RNA-Seqなどを用いて記憶に関与する神経細胞群を解析し、記憶障害に関わる遺伝子変化を探索する予定です。認知機能障害を改善する治療薬開発の手掛かりになるような基礎研究を展開したいと考えています。
笠原 敦子
金沢大学 がん進展制御研究所
研究テーマ:分子標的薬による悪性肺がん細胞出現メカニズム
今回採択いただいた研究は、分子標的薬 (gefitinib)の長期処理により、薬剤耐性となってしまった肺がん細胞の耐性獲得メカニズムについて、ミトコンドリア動態・機能に着目して明らかにすることを目的としています。耐性肺がん細胞では、ミトコンドリアが長く伸びており、ミトコンドリア融合・分裂因子のタンパク質発現も大きく変化し、ミトコンドリア呼吸の顕著な亢進が認められています。本助成金を活用し、どんな因子がミトコンドリアの形態またその機能を変化させているのかを明らかにし、ミトコンドリアががん治療のターゲットとなりうるか、基礎研究から発信できるように精進したいと考えています。
神谷 真子
東京大学 大学院医学系研究科
研究テーマ:カルボキシペプチダーゼ活性検出蛍光プローブの開発
この度は2018年度研究助成に採択いただき、財団関係者の皆様、選考委員の先生方に厚く御礼申し上げます。私はケミカルバイオロジーの研究に従事しており、生体分子をライブで可視化する蛍光プローブの開発研究に携わっております。本研究テーマにおいては、一部のがん細胞において活性が亢進しているカルボキシペプチダーゼを標的とし、その活性を検出する蛍光プローブを独自の設計法で開発することで、がん部位を選択的に可視化することを目指します。このような蛍光プローブを用いることで、従来までは判別が難しかったがん病変を手術中に迅速かつ精度よく検出することができるようになれば、再発率の低下や予後の改善につながると期待しています。
姜 秀辰
大阪大学 免疫学フロンティア研究センター
研究テーマ:Sema6Dの免疫代謝制御による炎症疾患の病態解析
この度、貴財団の研究助成に採択頂き、心より感謝を申し上げます。私は、免疫細胞の代謝制御による炎症疾患の病態解析に関する研究を行っております。本研究助成では萌芽的な研究に対するご支援を頂くことにより、免疫細胞の代謝制御による肥満・喘息などの慢性炎症疾患の発症メカニズムの解明に精進できると思います。今後は、この貴重なご支援を活かして、研究を楽しみながら、ご指導賜りますように何卒宜しくお願い致します。
Candeias Marco
京都大学 大学院医学研究科
研究テーマ:高度保存癌原遺伝子であるp53イソフォム:Δ160
I applied for the Astellas fund first thing after I started my lab, because it is so easy to apply to and all can be done in English. Also the amount is generous and it can be what you need to start that project you wanted, or finally test that target you’ve been putting your hopes on. At this moment I’m already knee-deep in the Astellas project (and fund) and very excited to see what results I can get within the year. This is the chance I needed to test my target and if all goes well it can give a big boost to my career and get us all a little closer to a new approach to target cancer. I strongly recommend all early-career researchers with a new idea for a new therapeutic strategy to apply to the Astellas research fund, this could be your opportunity!
木戸屋 浩康
大阪大学 微生物病研究所
研究テーマ:腫瘍血管を形成する新規機構「血管内皮滑走」の解析
このたびは伝統ある貴財団の研究助成金を賜りましたことに心より感謝するとともに、大変光栄に感じております。私は新たな癌治療法の開発を目指し、腫瘍組織中の血管を対象とした基礎研究を行っています。しかしながら、基礎的な研究の成果が医薬品として実用化に至るまでには時間を要し、世間的な評価にはなかなか繋がらないものです。昨今では研究費の削減が進められており、成果が目に見えにくい基礎医学研究は一層と厳しい状況に陥りつつあります。このような局面において、自分の研究の可能性を試せる研究助成金というのは極めて重要な意義があります。私の全精力を傾けて研究に邁進し、画期的な癌治療法の創出をもって貴財団への恩返しするものと決意を新たにしております。
國本 博義
横浜市立大学 医学部
研究テーマ:クローン造血制御による新規白血病予防法の創成
この度は貴財団の研究助成金に採択いただきまして、選考委員の先生方、財団関係の皆様に篤く御礼申し上げます。私は4年間の海外留学を終え、本年度より横浜市大幹細胞免疫制御内科で新しい研究室の立ち上げに努めております。海外留学時にも貴財団からご支援を賜り、私は医師・研究者としてアステラス病態代謝研究会様に大いに育てて頂いていると感じております。意欲溢れる若い大学院生を育成しつつ、難治性血液腫瘍の克服のために研究に邁進したいと存じます。今後とも貴財団の理念に基づき、多くの医師・研究者・教育者の方々を支えて頂きますよう切にお願い申しあげますとともに、貴財団の益々の発展を祈念しております。
久米 利明
富山大学 大学院医学薬学研究部
研究テーマ:iPS由来神経細胞タンパク質解析での薬効評価系創出
 この度は貴財団平成30年度研究助成金に採択していただき、心より御礼申し上げます。新たに研究室を主宰したばかりの研究者を支援して下さるという貴財団の方針は、平成30年2月より現職に着任した私にとっては、非常にありがたく、貴重であると思います。採択いただいた研究において、iPS 由来神経細胞を用いてタンパク質プロファイリングによる新規薬効評価系の構築を目指します。非常にチャレンジングな内容ではありますが、オリジナリティーのある結果を残し、貴財団のご期待に添えるように努力して参ります。
小玉 美智子
大阪大学 大学院医学系研究科
研究テーマ:子宮平滑筋肉腫発生・転移に関与する遺伝子の同定
この度は栄誉ある貴財団の研究助成に採択頂きまして、心より御礼申し上げます。私は、これまで十数年間臨床医として勤務した後、留学先で基礎研究を始める機会を得、婦人科癌増悪に関与する癌遺伝子スクリーニングを行って参りました。申請者の様々な状況を加味して申請を受けていただける貴財団の研究助成は、このようなキャリアを持つ自分にとって非常に貴重で、大変有り難く思います。現在、トランスポゾンを使用した子宮平滑筋肉腫モデルから、難治性の本腫瘍に対する治療標的を解明するため、腫瘍発生・転移へ関与する遺伝子の同定・機能解析を進めております。臨床応用に結びつく研究となるよう一層努力致したいと存じます。
昆 俊亮
東京理科大学 生命医科学研究所
研究テーマ:がん細胞と正常間質細胞との相互作用
このたび、平成30年度研究助成金によるご支援を賜りまして、貴財団の皆様方、選考委員の先生方に厚く御礼申し上げます。私は、平成30年度に東京理科大学にて研究室を立ち上げ、現在も研究環境のセットアップを鋭意進めている段階でございますので、本助成金の支援のもと、加速度的に研究を推進していく所存です。私は、上皮性の癌細胞が基底膜を超えて組織間質内に浸潤した際の周辺正常間質細胞との間で生じる細胞間相互作用に着目して研究を進めて参ります。全く新しい研究テーマにチャレンジいたしますので、不安と期待の両方に胸膨らませ、将来的には革新的な制がん戦略の基盤構築を目指していく所存です。改めまして、本助成金に採択頂きましたことを深く御礼申し上げます。
齋藤 史路
金沢医科大学 医学部
研究テーマ:胎生期樹状細胞の分化機構と先天性疾患における役割
この度は貴財団の平成30年度研究助成金に採択いただき、心より御礼申し上げます。私は平成30年より現在の所属へ異動し、研究テーマががらりと変わって新たなテーマでスタートしましたので、研究をスムーズにスタートさせるためにも、この助成金採択は大変ありがたく、励みになります。本研究課題では成人期に比べて未だ機能が不明な胎生期樹状細胞に着目して、分化誘導機構や病原体認識における免疫反応について解析を進めて参る所存でございます。本助成金を有効に活用して全力でこの研究に取り組み、発展させ、成果を出していきたいと思います。今後ともご指導ご鞭撻のほどよろしくお願い申し上げます。
阪口 雅司
熊本大学 医学部附属病院
研究テーマ:褐色脂肪組織の維持及び再生に関わる新規標的分子解析
海外留学から帰国し、大学病院医員として研究を始めるに当たって貴財団からの助成をいただくことは大変ありがたいことと感謝申し上げています。このようなご支援をいただきましたことは単なる研究資金の助けになるだけでなく、皆様に研究内容を高く評価していただいたこととして、大変な励ましと勇気を与えていただきました。助成いただきました資金を大切に、そして有意義に活用させていただきます。2型糖尿病に苦しんでおられる患者様にとっての有効な治療の一助となることを切に願っています。有難うございました。
坂本 愛子
東京大学 医学部附属病院
研究テーマ:冠動脈疾患に対するIgG4の関与の解明
この度は貴財団の研究助成にご採択いただき、心より御礼申し上げます。循環器内科医として日々の臨床に携わる中で、冠動脈硬化に対する既知の危険因子を厳格にコントロールしていても、動脈硬化の進行を十分に防ぐことのできないケースを目にすることがあり、冠動脈硬化の新たなリスクファクターの確立は、虚血性心疾患のマネジメントに喫緊の課題と考えております。心血管領域へのIgG4の関与が認識され始めましたのは比較的最近のことで、さらに、その報告の多くは血管外膜側の炎症性病変が中心ですが、私は「IgG4が冠動脈硬化性病変にも関与しうる」との仮説を立て、これまで研究を進めてまいりました。今回、貴財団からいただきました機会を最大限に活かすことのできますよう、より一層、真摯な姿勢で研究に取り組んでまいります所存でございます。
櫻井 雅之
東京理科大学 研究推進機構生命医科学研究所
研究テーマ:RNA依存的ゲノム塩基編集変異によるがん化と炎症
この度は研究助成に採択いただき、光栄に存じ上げますとともに、身の引き締まる思いです。私は昨年度まで米国にて核酸塩基修飾機構を分子細胞生物学の観点から研究しておりました。2018年度4月から帰国、東京理科大学生命医科学研究所にて研究室を主催させていただいております。本研究では研究対象をさらに一歩、生命医科学へと進め、がん化と炎症の原因としての核酸塩基修飾機構に取り組みます。しかし研究室立ち上げにはやはりそれなりの研究費が必要であり、この時期において本研究助成による支援を頂けたことは、私にとって非常に大きな意味を持ちます。心より感謝申し上げます。貴重な研究費を生かして、世界と競争できる日本の生命科学研究の強化へ、そしてそしてなにより病態解明への貢献をするべく、邁進する所存です。
笹井 美和
大阪大学 微生物病研究所
研究テーマ:オートファジー非依存的なAtg遺伝子の機能
この度は平成30年度研究助成金に採択して頂き、選考委員の先生方ならびに財団関係者の皆様に厚く御礼申し上げます。私はこれまで一貫して病原体感染に対する感染防御機構について研究し、現在はトキソプラズマ原虫感染に対する感染防御機構の解析を行っております。その研究の中で、オートファジーの誘導に必須の分子であるAtg遺伝子がオートファジー非依存的に機能しており、その一端が感染防御機構に関与していることを証明することができました。Atg遺伝子はそれぞれが多用な機能を持っている可能性が非常に高く、現在、これらの機能について解析を進めております。貴財団からの貴重なご支援を活かし、新たな機能の解明に精進して参りますので、今後ともご指導ご鞭撻のほど、宜しくお願い申し上げます。
佐藤 浩央
群馬大学 重粒子線医学推進機構
研究テーマ:がん免疫治療を制御する新規DNA修復因子の探索
この度、2018年度アステラス病態代謝研究会研究助成金に採択を賜りましたこと、厚く御礼申し上げます。私は医師として放射線治療に従事する一方、がん治療のさらなる発展をめざして、放射線治療が抗腫瘍免疫に与える影響の解明を中心とした研究にも取り組んできました。放射線治療は局所だけでなく全身的な免疫環境の変化をもたらすことが知られており、私の先行研究では、免疫チェックポイントの一つであるPD-L1(Programmed death ligand 1)が、放射線によるDNA損傷・修復シグナルを介し発現誘導されることを報告しました。今回の貴財団からのサポートをもとに、重粒子線治療により生じる、PD-L1発現を含めた免疫環境の変化と、それに影響するDNA修復因子をさらに深く解明することを目指します。本研究を通して、がん治療の新たな戦略の提案に貢献できるよう尽力していく所存です。
佐藤 弘泰
東京大学 大学院医学系研究科
研究テーマ:脂肪細胞ベージュ化を制御する新規機能性脂質の同定
この度は貴財団の研究助成金に採択していただき、心より御礼申し上げます。今回の採択に至るまでに一度不採択になり、今度こそはという思いで応募しました。採択通知を受け取った際には、大変嬉しく思ったのと同時に責任感で身の引き締まる思いでした。私はこれまで脂質代謝酵素による肥満の調節機構について研究を行ってまいりました。本申請では抗肥満作用を有するベージュ脂肪細胞に着目し、脂肪細胞のベージュ化を制御する新規機能性脂質の同定および制御機構の解析を行う予定です。このような栄誉ある助成金を頂いたことを励みに、今後さらなる研究の発展を目指すべく精進して参りたいと思います。
柴 祐司
信州大学 医学部
研究テーマ:iPS細胞由来バイオペースメーカーの開発
この度は大変素晴らしい研究助成に採択していただきありがとうございました。大変ありがたいことに今回2回目の研究助成を頂きました。研究室独立から間もない時期に本研究助成を頂いたことは本当にありがたく研究の進捗に大きく役立ちました。また、研究報告会で様々な研究者の発表をお聞きし、交流できることは、研究生活において大きな刺激となります。私も、研究報告会で皆様に興味を持ってもらえるような研究報告が出来るよう頑張っていきたいと思います。今後多くの研究者が本研究助成に挑戦し、研究成果を挙げていくことを願っております。
柴田 茂
帝京大学 医学部
研究テーマ:心腎連関におけるmTOR-ULK1系の関与の解明
平成30年度アステラス病態代謝研究助成金に採択頂きまして、深く感謝申し上げます。私はこれまで、慢性腎臓病や高血圧の病態解明を目指し、主に翻訳後修飾によるシグナル伝達機構に焦点をあてて研究を行ってまいりました。このたび、平成30年4月に帝京大学医学部内科学講腎臓研究室の教授に就任し、自由な発想のもとで新しい研究テーマの立ち上げを行っております。本助成金は研究室の整備のために有意義に活用させて頂き、是非とも社会に貢献できる研究成果を発表できるよう尽力して参りたいと思います。この度は誠に有難うございました。
柴田 孝之
群馬大学 大学院保健学研究科
研究テーマ:5-FUの代謝異常に伴う副作用リスクの検査法
この度は、貴財団の平成30年度研究助成金に採択して頂き、心より感謝申し上げます。私は、平成30年5月1日に現職に着任しすぐに本申請課題に着手する予定でしたが、環境が整っておらず思うように研究が進みませんでした。その折、幸運にも本助成金を賜ることができ、ようやくスムーズに研究を遂行する目途がつきました。本研究では、5-FUを用いるがん化学療法において重篤な副作用を誘発するジヒドロピリミジンデヒドロゲナーゼ(DPD)欠損症を、簡便に診断できる技術の開発研究を行います。現在、本邦にはDPD欠損症を診断する検査機関が存在せず、副作用リスクを評価せずに5-FUを投与するという危険な状況が続いています。そこで、独自に開発した蛍光法を駆使し、ヒト血液中のDPD活性を測定するという臨床研究を展開します。本法によってDPD欠損症を診断できることを証明し、研究成果を社会還元できるよう研究を邁進する所存です。
杉山 清佳
新潟大学 大学院医歯学総合研究科
研究テーマ:視覚経験による回路形成と分子基盤の解明
本助成金への申請は、自らの基礎研究の成果をどのように社会に還元するかを考える、とても良いきっかけになりました。脳の成長メカニズムの研究を通して、少しでも貢献できればと思います。子どもの脳の成長過程には、経験に応じて回路が作られる「臨界期」という特別な時期があります。臨界期に作られた回路は生涯個性として保たれることから、幼いころの体験・経験が重要視され、幼児教育の根拠にもなっています。本研究では、こどもの脳の柔軟性がどのような遺伝子によってコントロールされているのか、脳の回路が個々経験によって豊かに発達する仕組みを明らかにしていきます。大人の脳で安全に臨界期を活性化することができれば、疾患からの回路の再構築など、治療法の開発にも貢献すると期待されます。
鈴木 啓一郎
大阪大学 大学院基礎工学研究科
研究テーマ:RNAを介した正確な遺伝子変異修復法の開発
この度は、貴財団の平成30年度研究助成金に採択いただき、心より御礼申し上げます。私は平成29年8月に米国から帰国し新しく研究室を立ち上げておりますが、こういった状況の中、本研究助成は大変貴重であり、ありがたく研究室のセットアップに使用させていただいております。御支援いただいた本助成金を有効に活用し、将来的な患者への治療応用といった社会的に貢献できる出口を常に見据え、全く新しいアプローチから基礎研究を進めていきたいと考えております。
関根 圭輔
横浜市立大学 医学部
研究テーマ:iPS細胞ゲノム編集による膵癌治療抵抗性機構の解析
 この度は、平成30年度アステラス病態代謝研究会研究助成金に採択していただきましたこと、深く感謝申し上げます。今回は、この提案のチャレンジングな点を評価頂いたものと存じます。この萌芽を大きく育て、医学の発展に貢献出来るよう、尽力いたします。
 私は、立体的な多種細胞間の相互作用に焦点を絞り、基礎研究のみならず、治療法の開発や疾患の病態解明に結びつく成果の創出を目指して研究に取り組んでおります。本研究では、難治癌である膵癌の治療を目指した研究を進め、癌を一つのOrganとして捉え、癌を支える様々な細胞を含めた癌組織の再構築と、それを活用した治療抵抗性の解明、克服を目指します。
高橋 暁子
公益財団法人がん研究会 がん研究所
研究テーマ:細胞競合を制御する老化細胞分泌因子の同定
まずは貴財団より平成30年度研究助成金を賜りましたことを、心より御礼申し上げます。私は平成29年4月に公益財団法人がん研究会がん研究所で独立し、細胞老化プロジェクトをスタートしたばかりであります。いざ研究室を立ち上げてみますと、想定外に多くのものが不足しており、研究活動を推進するために貴財団からの助成金が大変に助けになりました。高齢化社会における加齢による発がん率の上昇という問題に対して、私たちは細胞老化という現象に着目し、その分子機構を解明し健康寿命の延長に繋げることを目指して、日々研究に取り組んでおります。本研究を通して少しでも社会に御恩返しができますように、研究室のメンバーが一丸となって研究活動に邁進したいと思います。
田上 俊輔
理化学研究所 生命機能科学研究センター
研究テーマ:細菌による特殊構造化ペプチド合成メカニズムの解明
この度は貴財団の2018年度研究助成に採択していただき,心より御礼申し上げます.近年,新規の創薬技術としてペプチドスクリーニングやペプチド修飾・構造化の技術が注目を浴びていますが,自然界にも多くの修飾・構造化ペプチドが存在することが知られています.天然の構造化ペプチドは酵素による修飾をされた特殊な構造をもつものも多く,そのような特殊構造化ペプチドの合成系を応用利用することが出来れば,新たなペプチド創薬技術として貢献することができると期待されます.そこで,当研究室では,細菌由来の特殊構造化ペプチド合成のメカニズムを解明し,将来的な応用利用につなげるために,ペプチドに特殊構造を導入する酵素の構造解析を行なっています.この研究助成の支援のもと,本研究を推し進め,将来的に創薬技術への応用に繋げられればと思っております.
都島 健介
東京大学 大学院医学系研究科
研究テーマ:インスリン抵抗性による心筋恒常性の破綻機構
この度は、貴財団の研究助成に採択して頂き、大変ありがたく心より御礼申し上げます。私は今まで、インスリンによる心筋の細胞骨格や代謝の制御機構に興味をもち研究を行ってきました。2016年9月に米国留学から帰国しましたが、1年以上研究費に恵まれず研究を続けることの厳しさを痛感しておりました。この度は、日本を代表する先生方に研究提案を読んで頂き、評価して頂けたことで、失いかけていた研究に対する気力や勇気をいただくことができました。いろんな先生方から、思いがけずお祝いの言葉を頂くことも多々あり、本研究助成の伝統の重みを実感しております。頂いた研究助成で実験環境も整いつつあり、着実に成果を積み重ねて研究が続けていけるように努力したいと考えております。
寺島 明日香
東京大学 大学院医学系研究科
研究テーマ:破骨細胞分化ステージの詳細
この度は、平成30年度研究助成に採択いただきまして、財団の皆様、審査いただいた先生方に深く感謝申し上げます。私のテーマは骨を破壊する破骨細胞の分化ステージの詳細を明らかにすることです。生命現象の根幹に迫る本課題を評価いただけましたことは大変嬉しく、研究推進の原動力となっております。こちらの助成金は領域にとらわれずに基礎生命科学研究を長年にわたりサポートし続けているという素晴らしい実績があるばかりでなく、若手の育成や女性研究者を支援するとの趣旨が明示されており、思い切ってチャレンジさせていただきました。研究費獲得が難しい中での採択は本当に光栄でした。貴財団からのご支援を基礎研究の発展とそれに続く応用研究への礎に展開できることを目指し精進したいと考えております。
中村 修平
大阪大学 高等共創研究院
研究テーマ:生殖と個体生存のバランスを制御する分子機構の解明
この度は平成30年度研究助成金に採択いただき、誠にありがとうございます。私はドイツ留学時に動物の寿命研究を初め、帰国後も特に生殖と個体生存のバランスを制御する分子メカニズムの解明を目指して研究を行なっています。2018年度より新しい所属に移り、自分のグループを持つことができるようになったタイミングでこのような助成金をいただき、大変感謝しております。本助成金を有意義に活用し、オリジナルな成果をあげることが出来るよう尽力して参りたいと思います。
西 裕志
東京大学 医学部附属病院
研究テーマ:感覚神経と骨髄球のクロストークに着目した炎症制御
この度は,貴財団の研究助成に採択頂き,財団関係の皆様,選考委員会の先生方に心より感謝申し上げます.貴財団からのご支援により研究環境を整えることができました.採択課題は,腎臓内科医という基盤に立ちながら基礎研究生活を長く過ごし上司と議論をしながら到達したものです.免疫学,神経科学の境界領域で研究者人口も数少ない分野ではなありますが,これまでの経験を活かしつつ大胆かつ慎重な探究活動を進めてまいります.今後も医学・生物学に関わる研究を真摯に追求することが新しい生物学の開拓や新しい治療的介入の構築に繋がると信じて研究活動に邁進してまいります.
西田 知訓
東京大学 大学院理学系研究科
研究テーマ:生殖ゲノムを保護するpiRNAの生成経路の解明
この度は貴財団の研究助成金に採択していただき、心から感謝致します。私が所属する研究室は、生殖細胞で特異的に発現する小分子RNA(piRNA)による遺伝子制御について解析しております。この制御機構は、昆虫から哺乳類まで高度に保存されており、piRNAの欠失は生殖細胞の形成不全を引き起こすため、生物にとって非常に重要であります。piRNAの生成には、多数の因子が介在しているのですが、それら因子がどの段階で、どのように機能するかはよく判っていません。本研究では、生殖細胞由来の培養細胞として樹立されたBmN4を用いた生化学的解析により、piRNAの生成過程を解明していきたいと考えております。本研究が、生殖細胞の発生過程の解明に貢献できるように精進していきたいと思っております。
西村(佐田)亜衣子
筑波大学 生存ダイナミクス研究センター
研究テーマ:ステムセルエイジングから紐解く上皮の加齢性機能低下
 この度は貴財団の平成30年度研究助成金に採択していただき、誠にありがとうございます。私は、米国コーネル大学にて5年間博士研究員として皮膚の幹細胞研究に従事した後、平成28年4月にテニュアトラック助教として着任いたしました。帰国後は、留学先で行った研究をさらに発展させ、幹細胞の老化という視点から新しい現象を見つけようと日々精進しております。テニュアトラック3年目という非常に大切な時期に、こうしてご支援をいただけたことを深く感謝し、研究の芽を大きく育てていけるよう、これからも楽しみながら、全力で研究に取り組んでいきたいと思います。
西山 正章
金沢大学 医薬保健研究域医学系
研究テーマ:クロマチンリモデリングと自閉症の発症機構
 このたびは名誉ある貴財団の研究助成にご採択いただき、心より御礼申し上げます。私は2017年10月より金沢大学医学系の教授に就任し、研究室を立ち上げるにあたって、本助成により研究環境を整備できたことに大変感謝しております。この1年、今までに経験したことのない困難もありましたが、縁も所縁もない新しい土地で、新しい人たちと出会い、新しいものを創り上げていく楽しさを、今まさに実感しています。自閉症はコミュニケーション障害および常同・反復的な興味・行動を示す発達障害であり、その発症メカニズムの解明と治療法の開発が強く求められています。私たちは最近、ヒト自閉症患者の遺伝子変異を再現したモデルマウスを作製し行動解析を行ったところ、このマウスが自閉症様の行動異常を再現することを発見しました。私たちはこのモデルマウスを用いて自閉症の発症メカニズムを解明し、新しい疾患治療法の確立を目指します。
畠山 浩人
千葉大学 大学院薬学研究院
研究テーマ:温熱耐性因子の代謝調節機構の解明と新規治療法の開発
この度は貴財団の平成30年度研究助成金に採択していただき誠にありがとうございます。留学中に、がん細胞が温度に対する感受性が細胞ごとに異なることを発見しました。しかし、詳しいメカニズムは不明で、今後がん細胞が温熱に耐性を持つ機構や温度に強くなることの生物学的な意義の解明と、新たながん温熱治療の開発につなげていきたいと考えておりました。留学から帰国後は環境整備など研究資金が必要です。留学する研究者が減少する背景には帰国後の心配があることも要因の一つかと思います。そのような方を積極的に応援する本助成金の趣旨は、応募に際して大いに励みになりました。貴財団の研究助成の支援を頂けたことで、研究をより一層進められることに感謝しております。科学的に興味深く、またがん治療に有用な研究が展開できるよう努力していく所存です。
服部 鮎奈
国立がん研究センター
研究テーマ:がん特異的代謝特性の理解とそれを標的とした創薬
この度は貴財団の研究助成に採択いただき、心より御礼申し上げます。今回採択いただいた研究では、アミノ酸の代謝に関する酵素BCAT1の働きによる、がんの悪性化の機構を明らかにすることを目指しています。これまでに、がん細胞が正常細胞とは異なった代謝状態を示すことが知られていますが、遺伝子変異やがん種の違い、および悪性化の過程による代謝変動についてはよくわかっていません。本助成金を活用し、どのようながんにおいてBCAT1ががん特異的代謝特性を制御するのか解明し、BCAT1を標的とした新規治療法の開発を行いたいです。
羽鳥 恵
慶應義塾大学 医学部
研究テーマ:概日時計による食事代謝の制御メカニズムの解明
この度は平成30年度アステラス病態代謝研究会研究助成金に採択して頂き、財団関係の皆様ならびに選考委員会の先生方に心より感謝申し上げます。帰国後に新しいテーマと対象動物で研究を開始しました。貴財団の助成は大変にありがたく、成果が出始める前でのご支援は大きな励みとなりました。概日時計と食事代謝の関係解明に向け、より一層努力して参ります。今後ともご指導ご鞭撻のほど、どうぞ宜しくお願い申し上げます。貴財団のさらなる御発展をお祈り申し上げます。
平野 有沙
筑波大学 国際統合睡眠医科学研究機構
研究テーマ:睡眠リズムを制御する新規神経回路の特定と解析
この度は、貴財団の平成30年度研究助成金に採択していただき、財団関係のみなさま、選考委員の先生方に深く感謝申し上げます。私はこれまで、約1日周期の生体リズム(概日リズム)を作り出す概日時計システムの研究を行ってきました。動物の睡眠覚醒リズムも概日時計によって制御される生命現象のひとつですが、脳内においてどのように時計細胞から睡眠のリズムが作られるのかはわかっていません。本研究助成では、ウイルスベクターを用いて脳内の時計細胞やその出力細胞を人為的に操作し、睡眠リズムの制御メカニズムを明らかにします。採択して頂いた本助成金を有意義に活用し、オリジナリティの高い研究成果をあげられるように尽力して参ります。
船戸 弘正
東邦大学 医学部
研究テーマ:新規睡眠制御遺伝子に基づく睡眠障害の解明
このたびは貴財団の平成30年度研究助成金に採択していただき、財団関係の皆様、選考委員会の先生方に厚く感謝申し上げます。私はマウスをモデル動物に、睡眠、摂食、性行動等の仕組みを理解したいと研究を続けています。これらは、俗に3大欲求とも言われますが、とりわけ睡眠の理解が遅れているように思います。チャレンジングではありますが、睡眠という普遍的な行動を制御する細胞内の仕組みをあきらかにし、ヒトの心身の健康に貢献しうる研究成果を挙げられるよう、努力してまいりたいと存じます。
古田 巧
京都薬科大学 創薬科学系
研究テーマ:創薬を志向するアミノシクロペンチトール類の網羅合成
 このたびは貴財団の平成30年度研究助成金に採択していただき、財団関係者の皆様、選考委員会の先生方に厚く御礼申し上げます。平成30年4月より京都薬科大学で新しく研究室を立ち上げました。器具も試薬もないゼロからのスタートで、研究資金が不足する中、貴財団からの助成はまさに命綱となりました。このメッセージを書いている今も、研究室に配属された学生とともに研究できていることに感謝の気持ちでいっぱいです。
 本申請研究では、全ての炭素がヘテロ官能基化されたシクロペンタン誘導体の立体制御合成法の開発を鍵に、医薬シードとなる生物活性物質を創製することを目標にしております。本助成を励みに、日々真摯に研究に向き合っていく所存です。
宮西 正憲
理化学研究所 生命機能科学研究センター
研究テーマ:造血幹細胞自己複製能分子メカニズムに関する基礎研究
この度は貴財団平成30年度の研究助成金に採択して頂き、深く感謝申し上げます。私は、平成29年に米国留学より帰国し、造血幹細胞機能の分子メカニズムの解明を目指した研究チームを立ち上げたところです。貴財団からのご支援は、セットアップをより充実させるのみならず、将来に向けたオリジナリティーのある研究テーマにチャレンジする機会を頂けたと考えております。本助成では、造血幹細胞がなぜ生涯に渡り生き続けることができるのかという幹細胞学のもっとも根源となる疑問に挑戦したいと考えております。この貴重な機会を、最大限活用すべく、研究に邁進していく所存です。
森 貴裕
東京大学 大学院薬学系研究科
研究テーマ:有用物質生産に関わる酸化酵素の機能改変と物質生産
この度は平成30年度研究助成を賜り、心より御礼申し上げます。私は平成30年1月より、東京大学大学院薬学系研究科の助教として着任いたしました。本年度より新しい研究テーマをスタートしたばかりでしたので、この助成は研究環境を構築する上で大変心強いです。採択いただいた本研究においては、これまでに行なってきた酵素反応メカニズムの解明研究から、留学時に学んできた酵素工学の手法を取り入れ、酵素の触媒機能を改変した、超天然型新規酵素の創生を目指します。まだ多くの課題がありますが、選考委員の先生方から、 研究を評価して下さるコメントを頂き、大変励みとなりました。本研究を通じて天然物化学の分野を新たな方面から切り開くことができるよう、一層精進して参りたいと思います。 審査員の先生方をはじめ、財団関係者の皆様に改めて御礼申し上げます。
森戸 大介
昭和大学 医学部
研究テーマ:モヤモヤ病原因遺伝子の病態機能解明
この度は貴財団の研究助成金に採択いただきまして、衷心より感謝申し上げます。私は本年(2018年)6月より現所属に異動して参りました。独立ポジションではありませんが、幸いにも旧所属、現所属の研究室主宰者のご理解を得て、約10年前に旧所属においてスタートしたテーマ(採択課題)に、今後も継続して取り組むこととなりました。新たな環境でもう一度、ゼロから研究環境のセットアップを行うにあたり、貴財団からの研究助成金はこの上なく有り難いサポートです。本助成金を最大限に生かして研究を推進して参ります。
諸石 寿朗
熊本大学 大学院生命科学研究部(医学系)
研究テーマ:Hippo経路の全貌解明とがん・再生医療への応用
この度は、平成30年度研究助成に採択いただき、財団関係者の皆様ならびに選考委員の先生方に心より感謝申し上げます。私は2017年12月に現職に着任し研究室を立ち上げているところであり、研究設備・人手ともに大変厳しい状況の中、本助成の支援をいただいたことはとても有難く、また今後の研究の大きな励みになりました。本採択課題では、未だ謎のベールに包まれているHippo経路の全貌を明らかにすることで、この経路を標的としたがんや組織再生などの治療法開発に挑んでいく所存です。本助成に採択いただいた栄誉を胸に、オリジナルな研究を展開する決意を新たにし、より一層研究活動に邁進していきたいと思います。
吉田 陽子
新潟大学 大学院医歯学総合研究科
研究テーマ:解糖系制御を介したベージュ細胞誘導メカニズムの解明
この度はアステラス病態代謝研究会の2018年度基礎科学研究助成にご採択頂き、選考委員の先生方及び財団関係者に方々に心より御礼申し上げます。これまで私達は肥満や糖尿病、心不全時に白色内臓脂肪が老化することで全身のインスリン抵抗性が生じ、これらの老化関連疾患の病態が負に制御されることを明らかにしてまいりました。最近、褐色脂肪組織やベージュ細胞がヒトの成人にも存在し、全身の代謝制御に重要な役割を果たすことが明らかにされてきていますが、私達は白色脂肪組織の解糖系を制御することでベージュ細胞を誘導することを見出しました。本研究助成によりこの誘導機序を明らかにすることで、脂肪組織における代謝リモデリングの新たな側面が明らかにするとともに、代謝性疾患に対する新たな治療アプローチを創出したいと考えております。
Lazarus Michael
筑波大学 国際統合睡眠医科学研究機構
研究テーマ:Novel insomnia treatment
It is a tremendous honor that my research is generously supported by the Astellas Foundation for Research on Metabolic Disorders. My lab at the University of Tsukuba’s International Institute for Integrative Sleep Medicine is elucidating mechanisms of sleep/wake regulation. I also envision the development of a safer and more effective treatment of insomnia, which is one of the most common sleep problems. The funding will help to kick-start our research project now in its early stages. I appreciate the uncomplicated and concise application process via the Astellas website and due to my very limited Japanese writing skills, the option to submit my application in English. I am grateful to the members of the selection committee and the Astellas Foundation for Research on Metabolic Disorders for accepting my proposal.

2018年度海外留学補助金受領者(敬称略・五十音順)
岡田 拓
留学直前の日本での所属先:北海道大学 大学院総合化学院
留学先:カリフォルニア大学

研究テーマ:ユズリハアルカロイド類の網羅的全合成
異なる文化や環境の中で経験を積み,研究能力の向上はもちろん,研究者として相応しい人間性・国際性を身につけたいという思いから,大学院卒業直後の海外留学を希望していました。私の場合,留学補助金の獲得が海外研究室の受け入れ条件になっておりましたが,この度,海外留学の機会を与えてくださった貴財団に心より御礼申し上げます。研究業績に不安がある中での応募でしたが,これまでの成果だけでなく,留学先での研究プロポーザルを評価して頂けたことは,大きな自信に繋がりました。留学中は,難易度の高い複雑骨格を有する天然化合物の全合成を目指します。海外で研究できることに感謝しつつ,限られた留学期間で成果が出せるよう,研究に打ち込む所存です。また,海外の研究文化や考え方等を貪欲に吸収したいと考えています。
木下 祐加
留学直前の日本での所属先:東京大学 医学部附属病院
留学先:Sanford Burnham Prebys Medical Discovery Institute

研究テーマ:低フォスファターゼ症における腎石灰化発症機序の解明
このたびは海外留学補助金に採択いただき、誠にありがとうございます。夫の留学が決定したのが1年前で、当初は子供達を連れての渡米に不安があり、自分が研究をすることは諦めていました。その後、研究所のホームページで、低ホスファターゼ症を研究されているMillan先生の研究室を見つけました。私のこれまでの研究分野であるくる病・骨軟化症の知識を活かすことができるのではと思い、先生にメールで連絡をしたところ、研究員として受け入れが決まりました。今回の海外留学補助金の選考では、審査員の先生方に研究計画へのアドバイスとともに海外生活における心構えを教えていただき、大変感謝しています。私は普段は保守的な性格で、新たなことに挑戦することに抵抗があるのですが、留学準備を通じて“getting out of your comfort zone”の大切さを実感しました。留学後もたくさんのチャレンジがあると思いますが、学べる機会に感謝して頑張ります。
小長谷 有美
留学直前の日本での所属先:京都大学 大学院生命科学研究科
留学先:スタンフォード大学

研究テーマ:筋再生における細胞周期依存性遊走のシステム生物学
この度は貴財団の海外留学補助金に採択頂き、誠にありがとうございます。私は生体内の代謝状態を可視化する技術の開発に取り組んでいましたが、組織の効率的な再生のメカニズムをシステム生物学的観点から解明したいと考え、スタンフォード大学医学部化学システム生物学科に所属する研究室へ留学いたします。スタンフォード大学があるサンフランシスコ・ベイエリアは家賃の高騰が激しく、本年度にはポスドクの最低賃金が引き上げられました。このように経済的に厳しい状況の中で、本補助金を頂けることを大変有り難く存じます。さらに経済的な支援に加えて、スタンフォード大学にいらっしゃる日本人の先生をご紹介頂きました。細やかで手厚いサポートに心より感謝申し上げます。今回のチャンスを存分に活かせるよう、日々貪欲に学び、より一層精進して参ります。
近藤 泰介
留学直前の日本での所属先:慶應義塾大学 医学部
留学先:米国国立がん研究所

研究テーマ:T細胞の脂質代謝機能解析およびがん免疫療法への応用
この度は、貴財団の海外留学助成金に、多くの応募者の中から私を採択して頂きましたこと、心より感謝申し上げます。本留学助成金の選考は、推薦人や過去の業績に関わらず、研究計画をしっかりと評価して頂けたと感じております。また2次選考の際に選考委員の先生方より直接励ましのお言葉を賜ることができ、留学中の今でも大きな励みになっております。私は以前より「T細胞移入療法によるがん免疫療法の開発」の研究を行なって参りました。本留学では、そのT細胞移入療法の本場である米国NCIの外科部門にて研究させて頂いております。まだまだ未熟ではございますが、本留学を通して最先端の技術や知見を習得し、より効果的ながん免疫療法の開発に貢献出来るよう日々精進して参りたいと思います。
鈴木 邦道
留学直前の日本での所属先:慶應義塾大学 医学部
留学先:英国医学研究局 分子生物学研究所

研究テーマ:構造解析に基づく次世代シナプスコネクターの開発
はじめに海外留学補助金にご採択いただいたことに心より感謝申し上げます。留学先を決めた段階では漠然とした研究留学生活を思い描くばかりでしたが、本申請および選考面接を通し、なぜこの留学研究が必要なのか、具体的に何をしたいのか、何が魅力的なのか、実現可能なのか、どのように世の中のためになるのか、何を学び帰ることが日本社会への貢献に繋がるのか、という責務を現実的に捉える貴重な機会となりました。留学先は、分子生物学に関わる構造や配列、原理・原則を解明し、社会に幅広く還元してきた基礎研究機関です。この歴史から学ぶに、私が考えている研究の出口にはまだまだ未来があるはずで、基礎研究を純粋な探求心に従って追究し尽くすことで開拓されるのだと信じています。本補助金を活用し、新しい出口の種を見出せるような基礎研究に励みたいと思います。
高橋 洋平
留学直前の日本での所属先:藤田医科大学 医学部
留学先:カリフォルニア大学

研究テーマ:思春期突発性側弯症における発症・進行因子の病態解明
 私は思春期特発性側弯症の原因遺伝子の研究で学位を取得して以来、漠然と留学したいという気持ちがありましたが、日々の臨床にどっぷりつかり、あっという間に6年が経過しておりました。留学が遅れることで、助成金を応募できる財団は少なくなり、貴財団は年齢制限がなく、私が応募できる数少ない財団でした。
 脊椎外科医としての臨床経験を重ねる中、基礎研究だけでは解決できない問題があり、基礎研究と臨床研究を融合して新たな知見が得られないか、どこで得られるかを考えた結果、その答えをだしてくれるであろう留学先がみつかりました。
 二次選考におきましては、先生方に『患者さんにとっていい治療ができるように、その成果を日本に持ち帰ってきてください』と心温まる、また身が一層引き締まるお言葉をいただきました。貴財団よりいただいた貴重な機会となるこの留学が、現在の側弯症治療の大きな転換点にすることができるよう頑張らせていただきます。
高浜 充寛
留学直前の日本での所属先:徳島大学 先端酵素学研究所
留学先:シカゴ大学

研究テーマ:組織特異的な免疫応答制御機構の解明
この度は貴財団の海外留学補助金に採択いただき、誠にありがとうございます。海外へ留学した後、学位取得後年数を気にすることなく応募できるフェローシップは数少ないですが、そのような中で多額の援助をしていただき感謝しております。また、2次選考面接では、選考委員の先生方から激励のお言葉もいただき、身の引き締まる思いがいたしました。
私はこれまで自然免疫応答の制御機構について研究してきましたが、今後は組織内における免疫・非免疫細胞の相互作用について研究していこうと考えております。これらの相互作用に対する理解を深めることで、免疫研究に少しでも貢献できるよう精進させていただきます。
山下 尚志
留学直前の日本での所属先:東京大学 大学院医学系研究科
留学先:ボストン大学

研究テーマ:肺高血圧における代謝とミトコンドリア機能異常の解明
この度は貴財団の平成30年度海外留学補助金に採択いただき、感謝申し上げると共に身の引き締まる思いです。私は皮膚科医として全身性強皮症の治療と研究に携わってきました。現在はボストン大学リウマチセンターで全身性強皮症の合併症の一つとしても認める肺高血圧症の研究に従事しております。採択いただいた内容は皮膚科医としてみれば畑違いでチャレンジングな内容になっております。そのような内容を認めてくださった貴財団と選考委員会の先生方には厚く御礼申し上げます。採択までの過程は全て渡米後でしたが、webカンファレンスを用いて面接を受けることができ負担の軽減に繋がりました。研究において資金を獲得できるか否かは評価に直接結び付きます。心なしかPIからの無茶振りが減った気がします。助成金を有意義に使用し、留学を機に新たな技術や視点を手に入れ、これからも科学の発展に寄与できるように精進させていただきたいと存じます。
山田 恵子
留学直前の日本での所属先:順天堂大学 医学部
留学先:マギル大学

研究テーマ:むち打ち損傷による生活障害予防の遠隔介入研究
貴財団の海外留学補助金にご採択賜り、心より御礼を申し上げます。
私は臨床経験を背景に、痛みを修飾する生物心理社会的因子を研究しております。研究分野や年齢制限等の条件から留学資金獲得に苦慮し、当初は私費でカナダに渡り、研究を開始しました。年齢制限なく幅広い研究分野からの申請を柔軟に受け付けておられる貴財団の助成をいただけることとなり、研究に集中して従事できております。
二次選考委員の先生方は、ご専門外である私の研究計画に対しても、真摯に耳を傾けてくださいました。特に、日本からの資金援助は貴重だが、留学先で評価をうけ、現地国で相応の報酬を受けられるようになることも研究者として次の重要なステップだ、というメッセージが印象的で、励みになりました。
痛み全般の慢性化・重症化予防のシステム構築を中心とした、患者のQOL向上に貢献できる研究者として帰国後に活躍できることを目指して、引き続き精進して参ります。
山村 和彦
留学直前の日本での所属先:九州大学 医学部 皮膚科学分野
留学先:ロックフェラー大学

研究テーマ:アトピー性皮膚炎における新規共刺激分子の特徴と役割
この度は貴財団の海外留学補助金に採択いただき、誠にありがとうございます。Web面接の際には選考委員の先生方に大変建設的な御意見を頂き、この場を借りて厚く御礼申し上げます。面接時はすでに渡米しておりましたが、財団の関係者の方々のおかげで海外からの面接もスムーズに行うことができました。私はアトピー性皮膚炎のメカニズムの解明とその治療法の開発に向けて研究をしてまいりました。留学先のラボでは主にヒトの検体を用いて、アトピー性皮膚炎や乾癬など疾患の免疫に焦点を当てた研究がされており、多くの国からの研究者が日夜切磋琢磨しています。このような刺激的な環境の中で一日も早く良い結果を出して患者さんにフィードバックできるよう、より一層努力してまいります。
吉里 哲一
留学直前の日本での所属先:京都大学 大学院医学研究科
留学先:カロリンスカ研究所

研究テーマ:加齢に伴うクローン性造血の病態解明
この度は、貴財団の平成30年度海外留学補助金に採択していただき誠にありがとうございます。私は、平成30年8月よりスウェーデンのカロリンスカ研究所のSten Eirik W. Jacobsen教授の研究室に留学しています。
元々の血液内科医として勤務していましたが、血液内科学では臨床と研究が近いこともあり、研究に興味を持ち、基礎研究に従事するようになりました。日本では血液腫瘍を中心とした癌のゲノム異常の解析をしていました。現在所属している研究室は、主として造血幹細胞の研究を実施しており、今までの知見を生かすべくシーケンス技術を用いて、造血幹細胞の分化機構の解析をしたいと考えております。
留学の際にいくつかの助成金を調べたのですが、年齢制限にかかってしまうものが多く、貴財団の助成を受けることができ、大変感謝しております。今後の血液学の発展に少しでも貢献できるよう精進してまいります。