2013年度

受領者からのメッセージ

2013年度受領者からのメッセージ

2013年度研究助成金受領者(所属は交付時。敬称略・五十音順)

石津大嗣
東京大学大学院 理学系研究科 生物化学専攻

この度は貴財団の研究助成金に採択していただき深く感謝申し上げます。 数ある研究領域の中から私の研究課題を高く評価していただいたことは、 研究者としてのキャリアをスタートして間もない自分にとって大きな自信に繋がりました。 私の研究テーマでは、piRNAと呼ばれる小分子RNAによる遺伝子発現抑制機構の解明を目指しています。 RNAiは、その分子メカニズムの基礎的理解が深まるとともに遺伝子機能解析ツールとして欠かせない技術となり核酸医薬への応用が急速に展開されています。 本研究で小分子RNAの機能に関する理解をさらに深め、この研究領域の発展に貢献したいと考えています。 本助成金を有効に活用し、少しでも多くの成果を挙げられるように研究を進めてまいります。

内田裕之
慶應義塾大学 医学部 精神神経学教室

この度は栄誉ある貴財団の研究助成に採択いただき、心より御礼申し上げます。 統合失調症における病因研究の重要性は異論を挟む余地はありませんが、この手法のみでは新しい知見が得にくくなっており、 また治療に直接的に結びつく発見が少ない、という現状があります。 一方、回復過程に焦点を当てた研究はいまだ不十分であり、その中でも各個人の「レジリエンス(抗病力)」の生物学的基盤の解明は、 本疾患に対する治療の発展・充実のためには極めて重要だと考えております。 このような挑戦的で、ややもすると概念的なテーマを取り扱った研究に、今回の栄誉を与えていただいた貴財団の大胆さに感服すると同時に、 非常に気合いが入りました。この気合いを形にして、患者さんのお役にたてるように、また貴財団のご期待に応えられるように、 三倍努力(柔道家木村政彦の言)で精進いたします。

大塚文男
岡山大学大学院 医歯薬学総合研究科 社会環境生命科学専攻 総合内科学分野

この度は、長い歴史と伝統のある貴財団より平成25年度研究助成を賜り、心より有り難く存じます。 私は、高齢化とともに進行する少子化問題に対して医学的見地からアプローチするため、BMP分子に着目して生殖内分泌への影響について研究を行っております。 この領域は臨床と研究とが強く関連しており、臨床現場から得たアイデアをもとに如何にその疑問に迫れるか、結果をどのように臨床へ応用できるか考えながら研究を進めています。 これからの医療人・研究者は、多様な臨床ニーズに柔軟に対応し、新たな分野へ応用する創造力が必要だと思います。 本研究助成を活用して研究課題を推進するとともに、私の培ってきたことを次世代へ伝え、またフィードバックを受けながら若手の教育にも貢献したいと思っています。

沖米田司
関西学院大学 理工学部 生命科学科 生命医化学専攻

このたびは貴財団の平成25年度助成金に採択いただきまして、深く感謝申し上げます。 私は7年間のカナダ留学を経て、本年度より独立研究室を新しく立ち上げております。 ポスドク直後の独立であったため、研究設備が非常に乏しい状態で、 資金的にも精神的にもたいへん難しい時期に本研究助成を頂いたことは大きな励みとなりました。 今後、新しい研究室で日本では珍しい遺伝病である嚢胞性線維症や、 社会問題となりつつある慢性閉塞性肺疾患(COPD)の治療法開発に繋がるような基礎研究を行いたいと思います。 今後ともご指導賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。

小布施力史
北海道大学大学院 先端生命科学研究院 分子細胞生物学研究室

私たちの研究室は、遺伝情報が如何に次の世代に正確に受け継がれ、如何にうまく使われるのかについて、比較的小さなグループで研究を進めています。 研究は、順調に進むこともあれば、なかなか前に進まない時もあります。 研究資金も同じで、比較的安定なときもあれば、来年度はどうなるのだろうか、というときもあります。 今回は、まさしく「来年度はどうなるのだろうか」という瀬戸際で採択していただきました。 また、申請課題は新しくはじめたチャレンジングなテーマでしたが、今回の採択に励まされ、引き続き取り組むことができました。 貴財団には、感謝するとともに、今後とも幅広い研究者の支えでありつづけて欲しいと願っております。

菊地晴久
東北大学大学院 薬学研究科 医薬資源化学分野

この度は、貴財団の平成25年度研究助成金に採択されましたことを深く感謝申し上げます。 また、先の東日本大震災の直後にも、3.11 緊急研究助成金を頂いております。 この件につきましてもこの場を借りて改めて御礼を申し上げます。 今回、新たに研究テーマを立ち上げるのにあたり、どこまでインパクトのあるテーマになりうるのか自分自身でも悩みつつも、日々試行錯誤していました。 しかし、選考委員の先生方に評価していただき、本研究助成に採択されたことで、テーマを継続していく自信を持つことができました。 まだまだ手探りの段階ではありますが、今後より良い結果を出していけるよう改めて精進してまいりますので、 引き続きご指導ご鞭撻の程よろしくお願いいたします。

菊知充
金沢大学 子どものこころの発達研究センター

このたびは貴財団の研究助成を頂きましたことを大変うれしく存じております。 我々は、詳細に脳機能測定を施行できる「幼児にやさしい」方法を確立するため、研究に取り組んでおります。 我々の理念は、自閉症スペクトラムの傾向など、人の多様性について、社会全体の理解を促進することです。 そのためには客観的指標が不可欠であり、幼児からの脳機能の「見える化」を進めることが急務であると考えております。 チャレンジ性の高い課題でありますが、我々の研究課題を応援してくださる当助成は非常に有難いものです。 競争の厳しい貴財団に研究計画を認めて頂いたことは、幼児のこころの発達の研究に大きな力を与えてくださいました。 人と社会のためになる研究を継続、推進させるよう努力して参ります。

後藤孔郎
大分大学 医学部 内分泌代謝・膠原病・腎臓内科学講座

この度、貴財団の平成25年度研究助成金に採択下さり、心より感謝申し上げます。 日常、大学病院や地域病院の内分泌糖尿病外来や学生教育に追われながら、研究を行っています。 診療でよく肥満患者を診る機会が多いのですが、なぜ肥満になると多臓器にわたり炎症性変化が出現するのか疑問に感じていました。 今回、その答えに辿り着くきっかけとなるかもしれないテーマで応募し、今回のようなサポートを得ることで研究をすすめることができ、とても嬉しく思っております。 本助成にふさわしく医学の発展に貢献するような研究成果を目指して、これからも日々精進してまいる所存です。

坂根亜由子
徳島大学大学院 ヘルスバイオサイエンス研究部 プロテオミクス医科学部門 分子病態学分野

もう十数年も前のことになりますが、私はブラックジャックのような医者になるという志を抱いて徳島大学医学部の門をくぐりました。 そのような私は、医学部2年生の時に研究と出会い、あっという間にその魅力に取り憑かれ、結局、医師免許を取得した後は臨床研修を受けずにそのまま基礎医学研究の道に進みました。 現在、私はブラックジャック、ではなく、矢吹丈のように真っ白な灰になるまで研究に挑み、勝負し続けたいと思っています。 ですが、やはり道は険しく時には立ち止まり、くじけそうになることも多々あります。 そのような時に、今回のような御助成をいただけますと、大変勇気づけられ、再び足を前に踏み出すことができます。 また、徳島大学の小迫先生、重永先生(平成22年度)、志内先生(平成23年度)が本助成をこれまでに受けておられますが、 小迫先生はこの度、徳島大学藤井節郎記念医科学センターの教授に就任され、重永先生、志内先生はさきがけ研究の研究費を獲得されました。 このような先輩方がいらっしゃることも大変心強く、私にはまだ充分な実績はありませんが、いつか面白い発見をして、さらに、 それを社会に役立てられるような良い仕事がしたい、と気持ちを新たにしています。 最後になりましたが、この度は、研究助成を賜りましたこと、心より御礼申し上げます。

高橋秀依
帝京大学 薬学部 有機化学研究室

この度は、研究助成を賜り有難うございました。 私たちの研究は、医薬品の構造の中に隠れているかもしれない軸不斉を探し当て、より良い医薬品候補化合物をつくるための分子設計に活かすことをめざしています。 以前、この研究について、「重箱の隅っこをつつくようなもの」と評されたことがあります。 確かに華やかさはなく、まるで発掘作業のような地味なものですが、みんなが見落としている隅っこにこそ宝物が埋まっているかもしれません。 6年制私学の小さい研究室で世界を相手に闘うには知恵と勇気が必要です。 この助成を励みに、これからも独自の視点でサイエンスに取り組む所存です。 今後も見守っていただけますようお願いいたします。最後になりましたが、貴財団のご発展を心よりお祈りいたします。

高橋弘雄
奈良県立医科大学 先端医学研究機構 脳神経システム医科学分野

この度は貴財団の平成25年度研究助成に採択して頂き、誠にありがとうございます。近年、食生活の変化に伴って、糖尿病の患者数は増加しており、大きな社会問題となっています。 私は、嗅覚による油への嗜好性に関する研究を行うことにより、脂質代謝異常への治療法の開発を目指しております。 現在、悪戦苦闘中の本研究に貴財団の助成を頂けたことは、研究を進める上で精神的な励みとなりますし、なにより研究費の面で極めて大きな助けとなっております。 ”多くの研究課題の中から採択した甲斐があった”と思って頂けるように、より一層努力し、社会のために役立つよう研究を進めて行きたいと考えております。

土屋恭一郎
東京医科歯科大学 医学部附属病院 糖尿病・内分泌・代謝内科

この度は由緒ある貴財団の研究助成金に採択を頂き大変光栄に存じます。米国留学からの帰国後に研究を継続するにあたり、貴重なご支援を頂けることを心より感謝申し上げます。 高い競争率にもかかわらず、生理的な代謝刺激に対する血管内皮細胞の内分泌的応答機構の解明という新規性の高い課題をご評価頂き、研究の進展に向けて一層身が引き締まる思いです。 今回の助成金採択を一層の励みとして、これまで一貫して取り組んできた血管研究を飛躍させるべく邁進していく所存です。この度は誠にありがとうございました。

中川勇人
東京大学大学院 医学系研究科 消化器内科

このたびは貴財団の研究助成課題に採択頂き、大変光栄に存じます。海外留学から帰国したばかりで研究費が少ない中、経済的にも精神的にも大きな励みになりました。 私はマウスモデルや臨床検体を用いて様々な肝疾患の病態解析を行っており、実際にその疾患の診療にあたっているからこそ持てる視点を大切にしたいと考えています。 今回の研究計画を高く評価していただき、現在の方向性が間違っていないことを認識できたと同時に、身が引き締まる思いでもあります。 採択してよかったと思っていただけるよう、今後も精進して参ります。

仲矢道雄
九州大学大学院 薬学研究院 薬効安全性学

この度は、貴財団の助成金に御採択頂き、誠にありがとうございました。厚く御礼申し上げます。 私は現在、偶然に見つけた現象に魅せられ、研究室内で新たな研究テーマを展開しようと考えております。 その立ち上げには、さまざまな機器や試薬が必要です。そのため、色々と頭を悩ませて申請書を書いたのを覚えております。 年齢制限もないことから採択して頂くのは困難かと予想しておりましたので、採択通知が来た時はとても嬉しかったです。 200万円という金額は大きく、お陰さまで研究の大きな推進力となっております。 今後は研究をさらに発展させ、財団の趣旨であります、画期的な疾患の治療法の開発につながる様に頑張って行こうと考えております。

西田基宏
岡崎統合バイオサイエンスセンター(生理学研究所) 心循環シグナル研究部門

伝統ある貴財団助成に採択していただき、選考委員ならびに財団の方々に深く感謝申し上げます。 私事ですが、2013年8月から岡崎統合バイオサイエンスセンター(生理学研究所)で心循環シグナル研究部門を立ち上げました。 脳神経やiPSに研究費が集中しているご時世にニッチな循環生理の部門を立ち上げることは極めて大変でしたが、貴財団の助成が大きな励みになりました。 温故知新の旗を掲げて新奇な心臓生理研究を展開し、貴財団助成に相応しい成果を出していきたいと思います。

林悠
筑波大学 国際統合睡眠医科学研究機構

このたびは本研究助成を頂き、心より感謝いたします。 本研究助成は伝統あると同時に、子育てとの両立など家庭事情にも配慮して頂ける点で非常に革新的であるとも感じます。 私自身、保育園通いの子供が二人おりまして、十分な研究時間の確保に苦慮しておりますが、今回の採択は本当に励みになりました。 私が所属する研究所は今年発足したばかりで、睡眠について基礎から応用まで幅広いアプローチで取り組む、世界的にもユニークな機関です。 ここで研究室を主宰できる話を頂いた当初は、大きな期待とともに、研究資金をどう確保するかという不安もありました。 今後は本研究助成を最大限活用させて頂き、「レム睡眠の意義」という大きな謎の解明を目指し精進して参ります。

平原潔
千葉大学大学院 医学研究院 先進気道アレルギー学寄附講座

この度は伝統と栄誉ある貴財団の研究助成に採択頂けましたこと、深謝致します。 留学から帰国直後の色々と不安が多い時期に貴財団からのサポートにより、腰を落ち着けて研究に取り組むことが出来ます。 私は呼吸器内科医として勤務した経験から、肺という臓器に着目し、肺特異的な免疫応答の解明を目標に日々研究を行っております。 今後は、肺繊維症をはじめとする難治性肺疾患やいまだ根治治療のないアレルギー疾患の克服につながる研究、ひいては、 臨床現場の苦しんでいる様々な患者さんの明日が少しでも明るくなる研究を行うべく日々精進したいと思います。 今秋に行われます貴財団の研究報告会では、様々な分野でご活躍されている若手研究者の皆様のお話をお聞きし、 最新の知見を交換出来ることを楽しみにしております。

松田七美
早稲田大学大学院 先進理工学研究科 生命医科学専攻 分子生化学研究室

このたび貴財団より、平成25年度の研究助成を授与していただきましたこと、心から感謝いたします。 貴財団助成は、「独創的、先駆性の高い萌芽的研究提案」、「独立したての研究者」、「女性研究者」、 「個人型研究者」を積極的に支援して下さる高い理念のもと打ち出されており、これは大変意義深いことであります。 私は、組織恒常性やがん悪性化などに深く関与すると考えられる"細胞競合"という生命現象に着目し、萌芽的かつ挑戦的な研究に取り組んでおりますが、 同時に、独立を目指す研究者でもあります。 今回のサポートは、私のような研究者のモチベーションを上げるためにも、大きな助けとなっているかと思います。 採択の通知をいただきましたときの喜びと身の引き締まる思いを忘れず、当該分野研究の発展を通じ、社会に貢献できるような成果を出せますように、 尽力したいと思います。

丸山健太
大阪大学 免疫学フロンティア研究センター 自然免疫学

このたびは貴財団の助成に採択していただき、衷心より感謝申し上げます。 人類史上空前絶後の老人社会を目前に控えた現代日本において、我々内科医にできることは極めて限られています。 ましてや、要素還元的なモレキュラーサイエンスの側からこの事態の改善に貢献できる可能性などは、ほぼゼロといっても過言ではないでしょう。 それでも、加齢に伴う鼠や人体の構造・機能変化に分子生物学のメスをいれ続けることは、21世紀を生きるメスを持たない在野の医師らがおこなうべき最低限のたしなみではないかと考えております。 クローニング競争後の焼野原となった世界で(寄木細工を楽しみたくなってしまう誘惑をはねのけながらの)大博打をうつために、本助成金を大切に活用してゆく所存です。

三浦恭子
慶應義塾大学 医学部 生理学教室

この度は貴財団の研究助成に採択頂きましたこと、心から御礼申し上げます。 平成26年2月に、ハダカデバネズミと共に現職(北海道大学 遺伝子病制御研究所 動物機能医科学研究室)に異動し、テニュアトラックにて独立いたしました。 研究室立ち上げでハダカデバネズミ飼育室の設立も含めたセットアップ資金が必要となり、楽しいながらも財政難に陥り喘いでおりました。 そのような中で貴財団のサポートを頂けたことは、資金面でも精神面でも大変助けになっております。 改めまして深謝いたします。この助成を元に、いまだほぼ不明であるハダカデバネズミの老化耐性・がん化耐性の機構を解明して本助成に値する面白い結果を出し、 ヒトの健康長寿社会の実現に貢献できるよう、微力ながら日々奮戦していこうと思います。

森本善樹
大阪市立大学大学院 理学研究科 物質分子系専攻 合成有機化学研究室

この度は貴財団の研究助成金にご採択頂き心より感謝申し上げます。 毎年大学からの予算が削減される中厳しい研究室運営をせまられておりますが、このような助成金を頂けることは大きな支援となります。 これまで生理活性天然物の全合成研究を中心に研究を行ってまいりましたが、本研究テーマでは複雑な骨格構造分子へ応用可能な合成技術を創出することを目標として掲げ、 独創的な合成技術を開発することで創薬科学研究に貢献することを提案させて頂きました 。貴財団の名に恥じぬよう本研究を推進して行きたいと思っております。よろしくお願い申し上げます。

山中章弘
名古屋大学 環境医学研究所 ストレス受容/応答研究部門 神経系分野2

平成25年度の貴財団の研究助成に採択頂きましたこと大変光栄に存じます。私は平成24年度に現職に異動しました。 新しい研究室の立ち上げ時期にこのようなご支援を頂くことができ、スタートアップとして大変ありがたく心より感謝しております。 私はこれまで睡眠覚醒などの本能行動がどのように調節されているのかについて研究してきました。本助成の研究では、 この調節機構の破綻による様々な病態の理解を目指したいと考えております。これまでの研究の単なる延長では無く、新しい展開を目指して新分野の開拓を行う所存です。



2013年度海外留学補助金受領者(所属は交付時。敬称略・五十音順)

池内和忠
静岡県立大学大学院 薬学研究科 医薬品製造化学教室
留学先:Colorado State University, Colorado, USA

この度は、貴財団の海外留学補助金に採択していただき本当にありがとうございました。 海外で研究することはずっと夢でしたので、それが実現できると思いますと心が弾むとともに、より一層研究に頑張らなければいけないという使命感を感じております。 私はこれまで、有機化学を基礎とした天然物の合成研究を中心に研究を行ってきました。 留学先であるコロラド州立大学でも同様な研究も行いますが、ケミカルバイオロジーを利用した創薬研究にも展開していこうと考えています。 新しい環境にうまく適用できるか不安な部分が大いにありますが、是非この機会を利用し多くの事を吸収して、今後の研究に活かしたいと思っております。

伊藤達也
京都大学 医学部附属病院 臨床研究総合センター 開発企画部
留学先:University of Bristol, Bristol, UK

この度、貴財団の海外留学補助金に採択いただき、誠にありがとうございます。 私はアカデミア主導による臨床開発の支援体制構築を研究テーマとして進めてきました。 日本の研究成果を早期に臨床応用できるにはどうしたらよいか? 海外の大学機関などのアカデミアにおける支援体制や開発プロセスを分析してみたいという思いが強くあり、 今回はその支援体制につき研究できる機会を幸運にも与えていただき、大変感謝申し上げます。 こちらでの研究環境に感謝しつつ、この留学で培ったノウハウなどを、今後このような研究領域の発展と医薬品・医療機器の早期開発に貢献できるよう、 努力する所存です。

小澤未央
九州大学大学院 医学研究院 環境医学分野 久山町研究室
留学先:University College London, London, UK

この度は栄誉ある貴財団の海外研究助成に採択頂き、心より感謝申し上げます。 私は博士課程より久山町研究室で栄養疫学の研究を行って参りました。 研究室の先生方の熱心なご指導の下、日本人における食事と認知症発症との関連について研究し、その成果を発表することができました。 今後も留学先のUniversity College Londonでこの研究を継続し貴財団の助成を受けるに相応しい業績を残せるように尽力して参る所存です。 最後になりましたが、研究そして留学への一歩を支えてくださった研究室の先生方、家族、そして貴財団に重ねて御礼申し上げます。

杉浦唯久
東京女子医科大学 心臓血管外科学講座
留学先:Nationwide Children's Hospital, Ohio State University, Ohio, USA

この度は、貴財団の海外留学補助金に採択して頂きまして誠に有難うございます。 本留学補助金の募集要項に書かれていた「現在までにどのような実績をあげているかだけが重要ではなく、留学先での研究を通して、 どのような研究者になることを目指しているのかが選考の基準」という文章を見て、これまで臨床の経験しかなく特別な研究実績がなかった私も、 応募してみようという気持ちに至りました。また、応募するにあたり電話で問い合わせをした際の財団スタッフの方の対応が、 とても温かかったことを覚えております。家族を連れての研究留学で経済的な不安も多少ありましたが、 この留学補助金を糧に研究留学生活を実りあるものにする所存であります。

田中雅史
東京大学大学院 人文社会系研究科 心理学研究室
留学先:Duke University, North Carolina, USA

この度は、海外留学補助金を助成して頂けましたこと、深く感謝申し上げます。 私が申請した研究は、様々な神経疾患の標的である線条体において、運動や認知機能の障害を引き起こす神経機構を探索するため、 歌鳥の疾患モデルを新規に作成するというハイリスクな提案でしたが、その新奇性と可能性をご理解いただけましたことは大きな励みになるとともに、 意義ある成果を出せるよう改めて気が引き締まる思いです。 神経疾患の解明には、個々の病理の理解のみならず、正常時の神経回路の動作を追究する基礎研究が欠かせないと信じております。 本助成で頂いた貴重な機会を活かし、留学先におけるin vivo神経活動記録や光遺伝学といった新技術の習熟に努めて、本研究を 、線条体の神経回路の機能解明、ひいては疾患の治療に繋げられれば嬉しく思います。

西川信之
名古屋市立大学大学院 医学研究科 細胞生理学分野
留学先:University of Bristol, Bristol, UK

このたびは貴財団の海外留学補助に採択いただき、本当にありがとうございます。 留学補助金を獲得する事は単なる経済的な補助であるのみならず、VISA取得などにおいて相手に自分をアピールできる大事な手段になります。 年齢制限なし、推薦不要、と広く門戸を開けているこの留学補助は、特に臨床を経て遅く大学院に帰ってきた医師にとって、さらなる研究生活の可能性をいただける貴重な機会です。 この大事な補助を生かして充実した留学生活を送る一方、臨床の発展の礎として研究結果を少しでも多く社会に還元できる様、さらに研究に精進していきたいと思います。

羽藤泰
慶應義塾大学 医学部 外科学教室 呼吸器外科
留学先:Massachusetts General Hospital, Massachusetts, USA

この度は、貴財団の海外留学助成金に採択いただき、誠にありがとうございます。 われわれ日本人研究者が世界水準の研究機関に挑む上で、資金的背景の脆弱性は最大の弱点だと私は思っておりますが、 このような機会を頂くことで研究に没頭することが可能になることを本当にありがたく存じます。 私は外科医ですが、固形癌の肺転移を数多く手がけるうちに、その分子生物学的背景に大変興味を抱いて来ました。 同じ固形癌肺転移であっても、その振る舞いは多種多様で、組織像や予後も同様に多種多様です。 その背景にあるメカニズムに興味を持ち、in vivo実験のみならずトランスレーショナルリサーチをも得意とする現在の研究室へ留学を決意しました。 この機会を存分に活かし、外科医の視点から基礎研究へ還元できること、あるいはその逆について知見を深め、成果を得られるよう努力していきたいと存じます。

古橋和拡
名古屋大学大学院 医学系研究科 腎臓内科学
留学先:Brigham and Women's Hospital, and Harvard Medical School, Massachusetts, USA

この度、貴財団の海外留学補助金に採択されたことを大変光栄に励みに思います。 私の腎臓内科医としての目標は腎炎に対する有効な治療法を開発することにより慢性腎機能障害を有する患者様に貢献することです。 そのためには、その疾患の発症・進展機序のさらなる理解が不可欠であると考え、 腎臓のユニークな血管構造と免疫細胞の相互関係に興味を持ち研究されているTanya Mayadas研究室にて研究をスタートしています。 現在、スタートしたばかりで日本との違いに戸惑うことも多いですが、できるだけ全てを楽しんでいこうと考えています。 そしてここで得た経験・知識が最終的には社会に還元されれば幸いです。 最後に、私の留学研究にサポートをいただいた選考委員の先生方、アステラス病態代謝研究会の事務局の皆様に、改めて深謝いたします。

本蔵直樹
愛媛大学大学院 医学系研究科 分子病態医学分野
留学先:Rudbeck Laboratory, Uppsala University, Uppsala, Sweden

アステラス病態代謝研究会の海外留学補助金に私の研究テーマを採択していただいたこと、心より感謝申し上げます。 貴研究会の選考の基準”どのような研究者になることを目指すのか"および、"年齢制限および推薦者なし”という特徴のある応募条件は”明日は変えられる。”と考える研究者にとって、 とても魅力的な応募条件に感じました。 また留学先であるウプサラ大学は、西暦1477年開学の北欧最古の大学で、世界最古の解剖学教室も実在しています。 また日本では同年、応仁の乱の終結の年なのでいかに学問の歴史が積み重なっているか容易に想像されます。 このような研究環境で研究を行えることに、身が引き締まる思いと、この受賞に恥じぬよう、実りある研究留学なるよう、研究に邁進する所存です。