東日本大震災緊急研究助成金受領者からのメッセージ
昨年の震災時には、「酸化的骨格転位を用いたアルカロイドの革新的合成」の研究に対して緊急助成金を交付して頂き、誠にありがとうございました。温かい御支援と御配慮に感激いたしました。
この度の助成金を研究の基盤となるガラス器具の購入に充てることで、早期かつ円滑に研究を再開することができ、学生ならびに職員ともども大変感謝しております。特に今年度卒業予定の学生にとって、研究を速やかに再開できたことは、非常に大きかったものと思われます。
私自身、今年は昨年の遅れを取り返すためにも、これまで以上に研究に熱意を持って取り組んで行きたいと思います。また、研究により成果を挙げることで、東北は元気であると少しでも示すことができればと考えています。
今後も他の職員や学生共々力を合わせて、研究に励んでいく所存でございます。
この度は東日本大震災緊急研究助成金を御支給いただき、誠にありがとうございました。東北大学は旧帝大で一番被災地に近い大学で、我々の研究室も実験機器・建物ともに著しい損害を受けました。さらに震災後の停電で冷凍庫の温度が上昇し、冷凍サンプルや試薬類をすべて廃棄せざるを得ませんでした。2010年9月末に留学から戻り、いよいよ本格的に実験開始と思っていたところでの出来事でした。
貴財団から緊急研究助成金を御支給いただき、廃棄した試薬類の再購入を行うことができ、御陰様で徐々に研究成果が得られつつあります。
今後も、仙台で被災した一研究者として、逃げ出さず自分の行えることを確実に行い、そのことで被災地の復興に少しでも寄与できるよう取り組みたいと思っております。なぜなら、東北は私の生まれ育った地ですから...
この度は、東日本大震災後の混乱の最中、貴財団より緊急研究助成金を交付して頂き、誠にありがとうございました。震災による人的被害は、幸い当方の研究室にはなかったものの、1週間に及ぶ停電のため、冷凍庫に保管していた研究試薬や試料を大量に失いました。そのような時に貴財団より助成金を頂き、当座必要な試薬や物品を買い揃えて、なんとか復興の第一歩とすることができました。またこの助成金のお蔭で、地域全体が大きな不安に包まれている中、「私たちの研究をご理解しご支援して頂ける方が世の中にはいるのだ」と強く励まされました。頂いたご厚意を、なんとか研究成果という形で還元していきたいと考えております。引き続き、ご支援の程をお願い申し上げます。
2011年3月11日の東日本大震災からほぼ1年が過ぎようとしています。震災後、アステラス病態代謝研究会より緊急研究助成金をいただき、破損した研究機器の修繕や動物実験の復旧にあてさせていただきました。震災後の大変な時期に、迅速な支援を受けることができ、本当に助かりました。この場を借りてもう一度お礼を申し上げます。その後、多くの方々の尽力で研究環境も復旧し、平常に近い活動を取り戻しつつありますが、福島県にはいまだ様々な風評被害が残存し、人材の確保が難しい面もあります。このような環境においても我々は研究のスピードを落とすわけにはいきません。今後とも脳科学の発展および神経難病治療のための技術開発へ向けて、できることから研究を進めていきたいと考えています。
この度は、貴財団の緊急研究助成に採択して頂き、深く感謝いたします。3.11の地震では、多くの機器が被害を受け修理等が必要になりました。震災後、予算も 限られている中で貴財団の助成が早く受けられ、大変助けられました。私は視細胞変性に起因する失明に対し、視覚機能を取り戻す方法とし て、光受容遺伝子(チャネルロドプシン類)を用いた遺伝子治療について研究しています。ヒトは高度に発達した視覚特性を持ちます。これに 対し、我々の再生法ではどれほどの情報を得る事ができるか明らかにし、ヒトへの応用に繋げられるように研究を進めていきたいと思います。 遺伝子治療は支援を受けにくい研究ですが、支援をして頂いた貴財団に心より感謝するとともに、より一層努力して参りたいと思います。
この度は、東日本大震災緊急研究助成金を頂きましたこと感謝致しております。茨城高専の本研究室は試薬・フラスコ等破損でガラスの海、ライフラインの復旧は、電気で4日、水で17日、-85度冷凍庫も常温状態となって多くの試薬、サンプル等が被害を受けました。所属学会である日本生物工学会から、貴財団が緊急研究助成金を公募しているとの案内を頂き藁にもすがる思いで応募致しました。血中などの微量成分の測定は、大腸菌宿主由来遺伝子組換体の臨床診断用酵素を利用しています。大腸菌では発現が困難な脂質関連酵素を、その耐性能力も高いPseudomonas属宿主ベクター系で大量発現させる研究を行っており、今回の助成金はその研究に役立たせて頂きました。大学や研究所ではない高専の研究者にもご高配を賜れたこと、今後多くの方の励みにもなればと願っております。
このたびは貴重な助成を頂き厚く感謝します。3月11日の大震災では、緊急地震警報で九死に一生を得ましたが、自分の研究室は無残に壊れパソコンはバックアップもろとも完全に破壊されました。沿岸を襲った大津波の爪痕は無残としか言いようがなく、遺体検死や医療活動ボランティアは忘れ得ぬ経験となりました。電車が不通となり車通勤も困難となるなか、津波で被災した研究員が転居のやむなきに至り退職するなど、チームにとっても大きな試練となりました。多くの研究員が泊まり込みで復旧にあたってくれたこともあり、5月頃からは次第に落ち着きを取り戻すことができました。いまだ仮設住宅から通う研究員もおり完全な復旧には至っていませんが、貴財団には大変励まされました。心より感謝しております。少しでも世の中に恩返しすべく、なお一層の精進をする決意です。
この度は緊急研究助成金をいただきましたこと、厚く御礼申し上げます。我々の研究室は震災で大変なダメージを受けました。機器の破損、重要な凍結サンプルや培養細胞の失活など、その損失は甚大で、ただ変わり果てた研究室を前に立ち尽くすのみでした。しかし後に分かったことは、物の破損よりも心的な損失の方がはるかに重大だということです。研究には機器や試薬は欠かせませんが、もっとも重要な要素は「人」なのです。絶望しやる気を失うことは研究の失速に直結します。そのような危機の時に、貴財団の差しのべてくださった助成金は明るい一縷の望みとなりました。失いかけていた我々の熱意を復活させてくださり、再び立ち上がって前に向かって歩くきっかけとなりました。今ではメンバーも戻り以前の活気を取り戻し、研究室は復帰しております。本当にこのご恩は忘れません。これからも精進して参りたいと思います。
この度の貴財団の緊急研究助成金に採択して頂き、深く感謝しております。今回の震災では、茨城県にある私達のラボでも、顕微鏡2台が実験台から倒れて落下するという予想もしていなかった事態も起きました。研究費もまずは災害復興のためのインフラ整備に優先的に使われたため、個人の備品の修理などもしばらくは難しく、いつになったら研究が再開できるのかと大変不安な日々を送っていました。そんな震災後数カ月という早い時期に迅速な緊急助成を受ける事ができたことは、研究再開への大きな支援となりました。このような速やかな研究再開がなされたことで、進めていた研究も何とか論文にまとめるところまで進展させる事ができました。1日も早く震災の影響を完全に払拭し、さらに大きな成果を出せるように精進していきたいと思っております。
この度は、東日本大震災緊急研究助成金に採択していただき、心より感謝いたします。米国より東北大学に着任し、実験動物や検体等を移動させている最中に震災に遭いました。持ち帰った検体類は大停電ですっかり融解してしまったけれど、また一から作ればいい。失活した試薬は買い直し、生き残ってくれた実験動物と共に研究を遂行しよう。採択通知を眺めながら、元気をいただきました。現在では余震もほとんどなくなり、おかげさまで平常の研究生活へ回復することが出来ました。研究の立て直しに手を差し伸べて下さった貴財団への感謝の気持ちを忘れず、今後も一層精進して行く所存です。
この度、本財団助成金の「東日本大震災緊急研究助成」に採択していただき、誠に光栄に存じます。私共は新しく研究室を立ち上げたばかりの2年目に大震災に遭遇し、機器や試薬類、実験動物などに多くの被害を受けました。そして、研究の立て直しに大変な困難を感じていた折に、本財団から緊急研究助成に採択していただき大きな助けとなりました。採択されたことは物質的な面だけではなく精神的に大きな励みとなり、研究室を立て直すにあたって大きな心の支えとなりました。心より感謝申し上げます。この助成金のお陰で、機器の修理あるいは試薬や動物の購入などが出来、新たな気持ちで研究を再スタートすることが出来ました。多くの研究者を応援して下さる本財団のますますのご発展をお祈り申し上げます。
この度は、東日本大震災緊急研究助成を頂き、誠にありがとうございました。私たちの研究室では、震災直後に大型・小型機器の破損と、停電による酵素・抗体類の失活、実験動物等の大幅な被害を生じ、研究を中断せざるをえない状況になりました。しかし、東北大学全体を見れば、医学部のある星陵キャンパスは建物の被害が軽微な方であり、早く復興に力を注げば、早く回復して、東北全体の復興の手助けが出来ると信じて、研究室一丸となって復旧に取り組みました。そんな中、貴財団から緊急のご支援を受けることができ、おかげ様で震災による遅延を最小にすることが出来ました。貴財団研究助成の速やかなご決断とご支援に感謝いたします。貴財団にはこれからも日本の医学研究の向上にご支援を賜りますように、お願い申し上げます。
青木 淳賢
東北大学大学院 薬学研究科 分子細胞生化学分野
2011年3月東北、関東を襲った大震災により、東北大学は大きなダメージを受けました。 大震災の直後、貴研究会(財団)には素早い援助を頂き大変感謝しております。
私は大地震の当日、出張のため東京におりましたが、東北への公共の交通手段がすべてストップしていたため、たまたま一緒に出張をしていた同僚と車で仙台に向かいました。しかし、東北自動車道は通行止であり、新潟、山形の日本海側を通らざるえず、また、山形から仙台に向かう山越えの道路は至る所で寸断されており、仙台まで12時間以上もかかってしまいました。信号の明かりも含め真暗闇の中、仙台市外におそるおそる入ったことを今でも鮮明に覚えています。
震災2日後に研究室に入ることを許可され、地震の大きさに愕然としました。研究室も机のうえのものはほぼすべて落ちていたような状態でした。私どもの研究室のメンバー20名は全員無事だったのが奇跡に感じました。一番大きな損失は、貴重な遺伝子改変マウス、ゼブラフィッシュの繁殖をあきらめなければならなかったことです。これらの研究は、半年から1年以上遅れたように思います。震災直後、仙台ではガス、水道、電気などのパイプラインが止まり、また、食料・ガソリンの調達もままならず、生活に不自由する状態でした。自家用車に分乗させ、多くの学生を鉄道の通っていた新潟まで送り、何とか実家に帰らせました。このような状態でしたので、研究室の機能は約1ヶ月半の間ストップしました。
1ヶ月半後、散っていた学生もラボに徐々に戻りはじめ、5月の連休後は研究をスタートさせることができました。おかげさまで、私どものラボの復帰は東北大学の中でも比較的早く、早期に研究を再開することができたと思っております。貴財団の援助などにより、震災の危機ををなんとか切り抜けることができたと思っております。
今後ともどうぞよろしくお願いいたします。